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【MTGアリーナ】強豪たちが開発した新デッキ!オルゾフ・ヨーリオンを解説【デッキ】

おっすおっす。

かーむです。

 

現在開催中のプレイヤーズ・ツアー・オンライン#3で世界的な強豪プレイヤーであるブラッド・ネルソン選手、セス・マンフィールド選手、ベン・スターク選手、エリック・フローリッヒ選手が持ち込んだオルゾフ・ヨーリオンが話題になっています。

 

バントランプに対して有利ということで、MTGアリーナのランクマッチでも急速にその数を増やしています。

 

今回はそんなオルゾフ・ヨーリオンを解説してみたいと思います。

 

オルゾフ・ヨーリオンのデッキリスト

デッキリストはこちら。

相棒に《空を放浪するもの、ヨーリオン》を相棒に据えており、メインデッキは80枚になっています。

 

 

手札破壊やドローなどができるパーマネントを展開し、《空を放浪するもの、ヨーリオン》でそれらを使い回す構成になっています。

 

特徴的なのはメインデッキから3種12枚も採用されている大量の手札破壊呪文たち

12枚のうち2種8枚はクリーチャーであり、《空を放浪するもの、ヨーリオン》や《魅力的な王子》で使い回すことができます。

 

現在のスタンダードではティムール荒野の再生がトップメタとなっており、全体的に遅めのメタゲームになっています。

環境には重めのデッキが多く、序盤から手札破壊を連打して土地もしくは高マナ域の呪文を落として相手の行動をガンガンに阻害していくデッキになっています。

 

また、ティムール荒野の再生、バント/スゥルタイランプ、ジャンドサクリファイスがトップメタにいることでメインボードに複数枚積まれることの多い《霊気の疾風》を無駄牌にできる点もメタゲームにハマっていそうですね。

 

オルゾフ・ヨーリオンの採用カード

それでは、1つ1つの採用カードを見ていきましょう。

 

手札破壊呪文

まずは手札破壊呪文から。

メインボードにはこちらの3種のカードが4枚づつ、合計12枚採用されています。

 

 

12枚のうち2種8枚はクリーチャーであり、《魅力的な王子》《空を放浪するもの、ヨーリオン》で使い回すことができ、盤面を展開しながら相手の手札を絞り上げます。

 

 

《ヤロクの沼潜み》《苦悶の悔恨》は追放での手札破壊のため、たとえ相手に《伝承の収集者、タミヨウ》が出ていても手札を攻めることができ、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の脱出も許しません。

 

 

除去呪文

除去が得意な白黒というカラーリングのため、除去呪文はどれも優秀。

 

 

《ガラスの棺》はアグロデッキに対して効果的なのはもちろん、《サメ台風》のトークンや《ハイドロイド混成体》を除去したうえで《空を放浪するもの、ヨーリオン》でブリンクすればタダでもう1体除去することができます。

 

 

《屈辱》は使いやすい確定除去でありながら、《荒野の再生》《パンくずの道標》などのエンチャントにも触れる環境に合った呪文ですね。

 

 

《エルズペス、死に打ち勝つ》は言わずもがなの強力カード。

《ケイヤの誓い》は後述する《裏切る恵み》のライフロスをカバーしつつ、《予言された壊滅》でサクるためのパーマネントを場に残すことができます。

 

アドバンテージカード

手札破壊呪文で1対1交換を繰り返したうえでこちらが優位に立つには、どこかでカードアドバンテージを得る必要があります。

 

《裏切る恵み》はデメリットはあるものの一気に手札3枚も引ける爆アドカード。

実は《空を放浪するもの、ヨーリオン》のブリンク能力は対象を取っていないため、《裏切る恵み》もブリンクでき、このコンボが決まると相手とのリソース差を大きく開かせることができます。

 

 

もう1つのアドバンテージカードは《予言された壊滅》

アグロデッキに対してはあまり効果的ではありませんが、強力なパーマネントを少量展開することが多い重めのデッキには非常に効果的です。

 

 

一方でこちらは役目を終えたハンデスクリーチャーたちや《ケイヤの誓い》を生贄に捧げるだけでよく、《裏切る恵み》を生贄に捧げればデメリットも解消できるということで、非常にデッキにマッチしたカードですね。

 

サイドボード

サイドボードには追加のハンデスとして《強迫》が4枚採用されており、呪文主体のデッキに対しては4種16枚体制になり、ほとんどメガハンデスモードになります。

 

 

除去を抜いてきそうな相手に対しては《朽ちゆくレギサウルス》をサイドイン。

 

 

上手いこと除去を抜いて3回殴れればそれだけでゲームを終わらせることができます。

ただし、《厚かましい借り手》によるバウンスや《サメ台風》トークンでのチャンプブロックで時間を稼がれてしまうとこちらが一方的に手札を失ってしまうため、除去手段を落とせるようにハンデス呪文とセットで引きたいですね。

 

フィーチャーマッチでも時間を稼がれているうちに逆に手札を失い、挽回されてしまうシーンも何度かあり、サクリファイスデッキやアグロデッキと同じようには強く使えないという印象でした。

 

重いデッキには《灯の燼滅》

 

 

範囲は限られますが《世界を揺るがす者、ニッサ》《荒野の再生》などの脅威にたった2マナで回答できます。

 

アグロデッキに対しては安定の《ケイヤの怒り》4枚と、追加の《ガラスの棺》

 

 

赤単アグロ、緑単アグロ、グルールに対しては除去コントロールとして振る舞えそうですね。

 

オマケ

《魅力的な王子》《空を放浪するもの、ヨーリオン》でお互いにブリンクしあうことで、延々と他のパーマネントをブリンクするループが完成します。

 

《魅力的な王子》が先でも《空を放浪するもの、ヨーリオン》が先でもループを開始できるため、ループ完成のチャンスは意外と多いので、覚えておくと役に立つかもしれません。

 

 

1週ごとに場に出ているパーマネントをブリンクできるため、《ケイヤの誓い》があれば毎ターン3点ドレイン、《裏切る恵み》があれば毎ターン3ドロー、ハンデスクリーチャーをブリンクすればみるみる手札を絞り上げることができます。

トップメタデッキとの相性

デッキの中身が分かったところで、次に気になるのはトップメタデッキとの相性ですね。

 

今大会ではオルゾフ・ヨーリオンがフィーチャーマッチで多く取り上げられていましたので、実際のゲームを見て感じた内容をまとめてみます。

対バントランプ

《サンプルリスト》

 

まずバントランプに対してですが、構造的に有利です。

前提として、バントランプのデッキの中身は大まかに「土地」、「マナ加速呪文」、「強力な呪文」という3種類のカードで構成されています

 

 

そして今のバントランプは「土地を追加で置く」ことでマナ加速するため、そもそも土地が手札になければマナ加速できません

一方で《世界を揺るがす者、ニッサ》《ハイドロイド混成体》などの「強力な呪文」が手札になければマナの使い先がなく、マナフラ状態になってしまいます。

バントランプがマリガンに弱いのと言われるのはこの辺りが理由になります。

 

そしてオルゾフ・ヨーリオンはゲーム序盤から手札破壊呪文を連打してくるわけですが、土地を捨ててしまうとマナ加速呪文が使いづらくなるうえにマナスクのリスクがあり、逆に強力な呪文を捨ててしまうとマナフラのリスクが大きくなります。

そのため、バントランプに対しては構造的に有利になりそうです。

 

バントランプとしては、土地をある程度優先しつつ、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》《ハイドロイド混成体》をデッキトップして捲っていくプランを取るのがベターになりそうです。

 

対ティムール荒野の再生

《サンプルリスト》

 

ティムール荒野の再生もバントランプに構造が似ていますが、バントランプと違う点が大きく4つあります。

 

1:《荒野の再生》の存在。

2:《ヴァントレス城》の存在。

3:呪文主体のデッキであるということ。

4:《発展+発破》の存在。

 

順に説明します。

まず《荒野の再生》ですが、バントランプとは違い、土地が4枚揃って《荒野の再生》を置けさえすれば一気に使えるマナが倍になります。

 

 

そのため、バントランプよりは土地を捨てるリスクを軽減することができ、実質的に一気にマナ加速するチャンスがあります。

 

2点目の違いは《ヴァントレス城》の有無です。

 

 

ティムール荒野の再生は仮に手札が1枚もなくても一切行動できないわけではなく、《ヴァントレス城》によってデッキトップから呪文を探すことができ、デッキトップから呪文を繰り出すことで手札破壊戦略にある程度あらがうことができます

 

 

そして3点目は呪文主体のデッキであるということです。

プレインズウォーカーが多く採用されているバントランプとは違い、呪文主体で構成されているティムール荒野の再生は墓地がたまりやすく、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を脱出させやすい構成になっています。

 

 

そして上記の《ヴァントレス城》はもちろん、ティムール荒野の再生には《成長のらせん》に加えて《選択》もあるため、《自然の怒りのタイタン、ウーロ》を探す能力もティムール荒野の再生の方が上回っています。

 

最後は《発展+発破》です。

 

 

バントランプでは最近《サメ台風》が優先され、《ハイドロイド混成体》の採用枚数が減りつつあり、少なくとも4積みのリストはほとんどありません。

 

 

一方でティムール荒野の再生には《発展+発破》が4積みされており、ティムール荒野の再生の方が一気に手札を補充するチャンスが多くなっています。

 

《ハイドロイド混成体》は青緑X、《発破》は青青赤赤Xと、タネになるマナは《発破》の方が多いですが、1つ目に上げた《荒野の再生》のおかげでティムール荒野の再生はマナを伸ばしやすくなっています。

実際、フィーチャーマッチでも《空を放浪するもの、ヨーリオン》をX=5で撃ち落とされて形勢逆転するシーンが何度かありました。

 

 

この4点からオルゾフ・ヨーリオンはティムール荒野の再生に対してバントランプほど有利ではないと思われます。

練習段階ではティムール荒野の再生に対しても高い勝率があったそうですが、デッキ使用者の一人であるブラッドネルソンも、プレイヤーズツアー1日目でティムール荒野の再生と3回あたり、3回負けてしまったようです。。。

 

 

 

初日途中での使用者のツイートによると、他のデッキに対しては16勝1敗の好成績でしたが、対ティムール荒野の再生は3-7で負け越しているということでした。(使用者全員の合計)

 

 

対ジャンドサクリファイス

《サンプルリスト》

 

3つ目はプレイヤーズツアー#3を制したジャンドサクリファイス。

ジャンドサクリファイスはフィニッシャー以外はパーマネントも軽く、手札破壊しきる前にコンボパーツを場に出されて対処に追われ続ける展開になりがちな印象でした。

 

小粒クリーチャーの処理にも優れており、ハンデスクリーチャーの使い回しをなかなかさせてもらえず、《魅力的な王子》を強く使いづらいマッチアップになります。

 

フィーチャーマッチの様子

 

そしてジャンドサクリファイスがそこそこライフゲイン手段があり、オルゾフ・ヨーリオン側もキルターンが長いことからロングゲームになりやすく、いずれ《フェイに呪われた王、コルヴォルド》《ボーラスの城塞》が着地してしまうため、あまり相性は良くなさそうです。

 

 

とは言え、《フェイに呪われた王、コルヴォルド》に対して《エルズペス、死に打ち勝つ》、猫かまどに対して《オルゾフの簒奪者、ケイヤ》《パンくずの道標》に対して《屈辱》など、対処するカード自体はデッキにあるので回答のしようがないわけではありません。

デッキが80枚というのこともあり、毎度適切な回答をするのは難しいかもしれませんが、《裏切る恵み》によるドローや《魅力的な王子》での占術である程度カバーできそうではあります。

 

 

総じて「噛み合い」という印象です。

 

MTGmetaで公開されているプレイヤーズツアーオンライン#3のアーキタイプ別勝率のデータでは、下記のようになっていました。

サンプル数は3マッチと少ないですが、ジャンドサクリファイス相手の勝率は66%強で勝ち越していますね。

総括

というわけでオルゾフ・ヨーリオンの解説でした。

 

遅いメタゲームにマッチした戦略を持ち、相手のほとんどアクションに対しての回答を備えたデッキであり、実際にプレイヤーズ・ツアー・オンライン#3でTOP8入りしていることから、デッキの強さには疑いはありません。

 

ただ、使いこなすにはかなりのプレイングスキルが要求される点と、ティムール荒野の再生に対しての相性は少し気になるところです。

 

まだ出てきたばかりのデッキであり、今後の研究で進化していく可能性もあり、今後ランクマの常連になるかもしれませんね。

少なくとも、トップメタの一角に明確に有利だということで、今後のメタゲームに影響してくるデッキだと思います。

 

僕も今ランクマでバントランプをメインで使っているので、構成を少し見直したいと思います。

 

↓にインポートリストを置いておくので、気になる方はぜひ使ってみてください!

 

では!

 

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かーむ@MTGアリーナブログ (@calm_blog)

インポートリスト

相棒
1 空を放浪するもの、ヨーリオン (IKO) 232

デッキ
9 沼 (IKO) 268
7 平地 (THB) 279
4 寓話の小道 (ELD) 244
4 神無き祭殿 (RNA) 248
4 静寂の神殿 (M20) 256
3 ロークスワイン城 (ELD) 241
3 インダサのトライオーム (IKO) 248
1 アーデンベイル城 (ELD) 238
4 泥棒ネズミ (GRN) 64
4 魅力的な王子 (ELD) 8
4 ヤロクの沼潜み (M20) 123
3 空を放浪するもの、ヨーリオン (IKO) 232
4 苦悶の悔恨 (THB) 83
3 ガラスの棺 (ELD) 15
4 ケイヤの誓い (WAR) 209
4 裏切る恵み (THB) 117
3 オルゾフの簒奪者、ケイヤ (RNA) 186
3 屈辱 (RNA) 192
4 予言された壊滅 (ELD) 187
2 太陽の宿敵、エルズペス (THB) 14
3 エルズペス、死に打ち勝つ (THB) 13

サイドボード
4 強迫 (M20) 97
2 灯の燼滅 (WAR) 190
1 ガラスの棺 (ELD) 15
4 朽ちゆくレギサウルス (M20) 111
3 ケイヤの怒り (RNA) 187